製紙パレットに関する法的見解について

製紙パレットの不正流用は違法です。

製紙パレットは製品の輸送・保管を効率的に行い製品の形態荷姿を保護するための物流器材であり無償で提供しているものでありません。
 そのため製紙メーカーは、昭和55年よりパレットに(1)所有者、(2)要返却の旨を記載しその所有権を明確にしています。
 また、空きパレットを売却・転用されない様に(株)製紙パレット機構の指定証をつけた指定回収車のみが回収し、製紙メーカーにお届けする仕組みが出来上がっています。
 しかしながら、昨今は規格判パレットが不足しており、自社製品を製紙パレットで輸送・保管したり違法業者に転売したりする行為が後を絶ちません。
 製紙メーカーの社名が記載されたパレットを同意無しに自社で転用したり、違法回収業者に渡すことはコンプライアンス上も問題があり、違法回収業者のみならず回収に出した会社の信用も傷つく可能性がありますので、ご注意願います。

指定回収車(トラック)ステッカー


具体的事例


関連条文


刑法253条(業務上横領)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。

刑法256条(盗品譲受け等)
①盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、三年以下の懲役に処する。
②前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金に処する。

民法709条(不法行為による損害賠償)
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。